土地の活用
有効活用していない土地は
「負債」でしょうか?
持っているだけの土地は
「負債」?
土地は、「何かに使って」はじめてその効用を発揮できるものです。自宅を建てる、車庫や倉庫などとして使うことで、毎日の暮らしを支えるものとなります。会社ならば、オフィス、工場、店舗などを建てて、そこで生み出されるものから、収益を上げることができます。
しかし、土地を何にも使わずにそのままに(更地のままに)しておくと、効用を得る事が出来ない、収益を生まないだけでなく、各種税金に維持管理費など、お金がかかるものとなってしまいます。
建物が建っていても、当然固定資産税などの税金がかかりますが、固定資産税は何も使っていない土地(更地)にもかかりますし、税の仕組みではこうした「何も使っていない土地」かつ「所有権以外の権利がついてない土地」が最も高い税率になります。つまり、ただ持っているだけでは、所有している限り支出を伴う、いわば「負債」と言える存在になってしまいます。
土地活用とは、
土地で収益を上げること
こうした理由から、「何も使っていない土地」は、現在所有している方が必要としないならば、「手放す(=売却する)」か、「何かに使うか」の検討をします。しかし、そう簡単に所有する土地を手放すことを決断される方は多くありません。そこで、「土地を誰かに貸す」か「土地に何かを建てて貸す」など、土地を保有したまま、活かして使うことで、「収益を生み出す土地」になるように検討する。これが、土地活用です。
現在、何にも使っていない土地は「遊休地」と呼ばれ、そのため以前は「遊休地活用」と言われることも多かったようですが、いまでは「土地活用」と言うのが一般的です。
たいていの土地は、
収益につなげられる
一般の方が「何か良い土地活用の方法はないか」と思うタイミングは限られています。例えば、相続により両親から土地を受け継いだり、あるいは自ら(法人・個人)が所有していた土地で工場・商店などを営んでいたけれど、廃業や統廃合などで余剰土地がでてきたりして、そこが「使ってない土地」になってしまったときです。もちろん、山林の中の土地など、使い道が少ない、限られている土地も存在します。しかし、たいていの場合は収益につなげる土地活用の方法があります。
使っていない土地は、
売らずに活用する
使っていない土地は、「売却する」のが良いのか、「活用する」のが良いのか、悩ましい問題です。これは、所有されている方の置かれている状況や土地の状況により大きく異なりますので、一概には言えません。しかし、土地活用については、よほどの場所でない限り何かに活用できることが多いものです。ここでは「使っていない」=「売却」と安易に考えない方が良いことを、まずは押さえておいてください。土地活用を検討したあとでも売却することはできますが、逆はできません。
相続した土地の場合はもちろん、その他の状況で使っていない土地の場合においても、せっかく所有している土地を手放すのは、もったいないと思うのが一般的と思われます。(ただ、緊急にお金が必要という場合は仕方ありませんが)。
また、土地を高く売るにはタイミングを見図る必要もあります。売却すると、いったんお金は入ってきます。そのお金を別の事に使う、あるいは別の事で運用するなどして、そこから収益を上げることができれば良いですが、ただ銀行に置いておくだけでは、お金はほとんど増えません。株式運用で上手く収益をあげるのは、不可能ではないと思われますがリスクが高い場合が多いと言えます。
これをふまえると、土地は売却するよりも活用する方が得策であることが多いと言えます。
土地活用の目的をハッキリさせることが、成功への秘訣
どのように土地活用するかは、まず「土地の立地はどうか?」を考えます。そして土地活用の目的は、「土地活用して収益を上げる」ことですから、「どれくらい、お金をかけるか」を判断します。ただ単に、土地を貸すなら初期投資費用はほとんどかかりません。しかし、賃貸物件などを建てると収益性はグッと上がりますが、投資(ローンを組む)が必要となります。リスクを取ればリターンが増えるというわけです。目的をハッキリ決めることが、成功=収益化の第一歩です。
最後に、どういった企業をパートナーとして選ぶかも極めて重要です。このページをご覧の方は、賃貸住宅経営に興味を持たれている方も多いと思います。ハウスメーカー等が作成しているカタログや事例集、ガイドブックなどを取り寄せて、「実際にどんな賃貸住宅が建築されており、どんな運営サービスが行われているか」といった情報を集めると良いでしょう。
監修:
(社)住宅・不動産総合研究所 理事長
吉崎 誠二(不動産エコノミスト)
早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。立教大学博士前期課程修了。 (株)船井総合研究所上席コンサルタント、Real Estate ビジネスチーム責任者、基礎研究チーム責任者などを経て、現職。不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションなどを行うかたわら、全国新聞社、地方新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は毎年年間30本を超える。