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プレスリリース

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茨城県つくば市の分譲地「スマートハイムシティ研究学園」で
家庭用蓄電池を連携したバーチャルパワープラントの実証試験を開始

  • ■バーチャルパワープラント構築による太陽光発電電力利用の最大化を実証
    ■既存配電網とクラウド利用のEMSを活用
    ■需給バランス向上に向けて、スマートハイム住宅群と事業所をネットワーク化

2016年8月30日
積水化学工業株式会社
茨城セキスイハイム株式会社

 積水化学工業株式会社 住宅カンパニー(プレジデント:関口俊一)では、10月より、茨城セキスイハイム株式会社(代表取締役社長:寺内勝 、本社:水戸市白梅1-7-11)が販売した分譲地「スマートハイムシティ研究学園」(茨城県つくば市研究学園3丁目)の居住者及び東京電力パワーグリッド株式会社のご協力のもと、バーチャルパワープラント※1(以下、VPP)の実証試験を実施します。なお、実証試験の目的は、各家庭の蓄電池を連携させ、太陽光発電システム(以下、PV)が発電した電力を高効率に活用することを目指したVPPの構築と運用に向けての各種実証データの取得です。
 なお、この実証は経済産業省「バーチャルパワープラント構築事業費補助金」事業に採択された当社実証の取組みの一環として実施します。

『スマートハイムシティ研究学園』におけるEMS実証試験の概要

実施内容  :  今回の実証試験はバーチャルパワープラントの1つのモデルに関し実施するものです。
エネルギー自給自足型スマートハイム(大容量PV+蓄電池+HEMS搭載)20棟と、積水化学つくば事業所の電力需給をEMS(エネルギー・マネジメント・システム)※2 で統合・制御し、既存配電網を使用して実証試験地全体の電力利用状況に合わせ、20棟に設置した蓄電池を用い、住宅間、住宅と事業所間で電力をシェアします。実証試験は次の条件のもと実施します。
・運用に必要な設備は、各住宅に設置される太陽光発電と家庭用蓄電池とする。
・電力ネットワークには電力会社の既存配電網を利用する。
・EMSは、複数の家庭用蓄電池を統合・制御する「タウン・エネルギー・マネジメントシステム (TEMS)(当社開発)を使用する。なお、クラウドを利用し専用サーバー等は設けない。
検証事項  :  ①電力シェア(スマートハイム住宅間及び同住宅と事業所間)における発電電力の活用度の確認
・蓄電池制御による太陽光電力の利用効率の変化の確認
・戸建て住宅と事業所との連携による電力のピークカット※3 効果の確認
②蓄電池からの電力逆潮流※4 による配電網への影響度確認
③VPPによるスマートハイム所有者へのメリット創出策の探索
・専用電気料金体系の利用者満足度の確認
・運用コストの確認
実施場所  :  「スマートハイムシティ研究学園」(茨城県つくば市研究学園3丁目)
実施期間  :  2016年10月~2018年9月まで(予定) 実証検証の形態図
実 施 者  :  積水化学工業株式会社
協   力  :  「スマートハイムシティ研究学園」対象居住者の皆様、
東京電力パワーグリッド株式会社

■EMS実証試験の背景と目的

 当社では、2003年より光熱費ゼロ住宅として「自ら発電機能を持ち、エネルギーの効率的利用を図る住宅」の販売を行い、2011年以降は電力価格の高騰・将来のエネルギー価格不安に備え、大容量PVと独自のコンサルティング型ホームエネルギーマネジメントシステム(以下、HEMS)「スマートハイム・ナビ」、定置型大容量リチウムイオン蓄電池「e-Pocket(イーポケット)」を搭載したエネルギー自給自足型住宅の普及に努めてきました。
 また、当社は2010年からの5年間、EMS先行実証実験として「北九州スマートコミュニティ創造事業」に参画し、複数の家庭用蓄電池を連系するとともに蓄電池からの電力を自営線に逆潮流させ、高精度の需要予測のもと、1つの発電装置のようにマネジメントする仕組み「タウン・エネルギー・マネジメントシステム(TEMS)」を開発してきました。
 今回の実証試験は、上記の実績を活かし実施するもので、各住宅に設置されている家庭用蓄電池をTEMSでネットワーク化することにより、PVの発電電力を無駄なく活用できるシステムの構築と運用に向けて実施します。

■EMS実証試験の内容

 「スマートハイムシティ研究学園」の20棟の住宅には、全て大容量PV・HEMS・蓄電池が搭載されています。それぞれの住宅において、大容量PVで発電し、その余剰電力を蓄電することで一日中の電力の自給自足を目指すシステムです。しかし、このシステムにおいても、時間帯や天候によっては発電電力の不足及び余剰も発生してしまいます。
 今回の試験は各住宅の蓄電池を連携させることで、PVが発電した電力を効率的に活用することを目指す「バーチャルパワープラント」の構築と運用を行うものです。具体的には、当社が開発したEMSである「タウン・エネルギー・マネジメントシステム(TEMS)」により20棟の家庭用蓄電池をクラウド上で統合・制御し、各棟の蓄電池に貯めたPV発電電力を既存配電網に逆潮流を行い、その電力を各住宅と積水化学つくば事業所でシェアするものです。実施期間は、2016年10月~2018年9月までで、主な検証事項は以下の3点です。

1.電力シェア(スマートハイム住宅間及び事業所)における発電電力の活用度の確認

 各住宅のPV発電電力の利用効率を高めるとともに、住宅とは異なる電力のロードカーブ※5を描く事業所と連携させることで、各住宅で蓄電池に貯めきれないPVの余剰電力や、住宅での需要の低い時の蓄電池電力を事業所へ送ることが可能となります。連携を行うことで生まれる発電電力の利用率の変化、及びピークカット効果を検証します。また、「タウン・エネルギー・マネジメントシステム(TEMS)」の効果を確認します。

2.蓄電池からの電力逆潮流による配電網への影響度確認

 当社は、すでに「北九州スマートコミュニティ創造事業」において家庭用蓄電池から自営線※6への電力の逆潮流の検証を行っており、これに基づき「タウン・エネルギー・マネジメントシステム(TEMS)」を開発しています。今回の実証試験は、自営線ではなく既存の配電網に行うもので、より信頼性の高い「タウン・エネルギー・マネジメントシステム(TEMS)」の構築に向け、実用レベルにおける影響度の確認を実施します。

3.VPPによるスマートハイム所有者へのメリット創出策の探索

 再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)終了後、PVで発電した電力は「売るより使う」時代になると予測されています。したがって、今まで以上に発電電力を有効に利用することが望まれます。
 しかし、各住宅単体では電力需要の量的・時間的な偏りや、太陽光の不安定な発電量などの課題があります。これに対し、VPPは分散立地する各住宅やオフィス・事業所での発電量・蓄電量を統合的に管理し、電力をシェアすることが可能であり、これによりPV発電電力の利用効率を高められる可能性があります。
 今回の実証試験においては、この利用効率の向上や、スマートハイム所有者などVPP参加者における経済的効果・満足度を検証するとともに、VPP運営のコスト・事業性についても検証します。

「タウン・エネルギー・マネジメントシステム(TEMS)」のイメージ図

※1 バーチャルパワープラントとは、複数の分散電源(小規模な自家発電設備、太陽光発電、燃料電池、蓄電池など)を通信ネットワークでまとめてマネジメントし、あたかも1つの発電所のように(仮想的=Virtual))に機能させるシステム。機動的に需給バランスを制御できるシステムであるとされています。

※2 EMS(エネルギーマネジメントシステム)とは、ICT(情報通信技術)を用いて、家庭やビル、工場、地域、ネットワークのエネルギー需給を管理しながら最適化するコンピュータシステム。監視サーバーと情報ネットワークを中心に構成され、建物内、地域の照明や空調などと太陽光発電や蓄電池などの分散電源を自動的に監視・制御し、エネルギー使用及び供給状況を一元的に把握。需給予測に基づいて設備機器の制御を行います。

※3 ピークカットとは、電力需要のピークを抑えること。小売電気事業者の発電電力や調達電力のピークを抑えることで電力の供給コストを削減したり、一般送配電事業者が電力のピークに合わせて確保する電力のコストを削減する効果があるとされています。

※4 通常商用電力は、電力会社の発電施設から送配電網を通じて利用者まで一方向に流れて消費されます。
電力の逆潮流とは、自家発電事業者の分散電源から電気事業者の配電網に電力が流れること。逆潮流を行う場合、電圧や周波数の乱れが発生したときに配電網に影響を与える可能性があると言われています。

※5 電力のロードカーブとは、1日あるいは1年の間に使われる電力量の変化を表す曲線。住宅で使われる電気や、工場で使われる電気、オフィスビルで使われる電気など、それぞれ電力のロードカーブも異なります。

※6 自営線とは、一定の区域内で一般送配電事業者が敷設した送配電線とは別に敷設された自営の送配電線のこと。

◆「スマートハイムシティ研究学園」について

 「研究学園」駅へ徒歩16分の立地。大型ショッピングモール等生活利便施設が揃うつくば市研究学園3丁目エリアにあり、緑ゆたかな「こなら公園」に隣接しています。2018年(平成30年)には徒歩11分の場所に仮称「市立葛城学園(小・中一貫校)」が開校予定です。また、住宅は大容量PVとHEMSと蓄電池を標準としており、環境モデル都市であるつくば市が推進するつくば環境スタイル“SMILe”「コミュニティ型低炭素モデル街区」形成の一翼を担っています。

スマートハイムシティ研究学園の街なみ

参 考

<茨城セキスイハイム㈱会社概要>
 設   立:1974年4月1日
 資 本 金:1億500万円
 代 表 者:代表取締役社長 寺内勝
 売 上 高:13,485百万円(2015年度)
 従業員数:223名(2016年8月)
 本社所在地:〒310-0804 茨城県水戸市白梅1-7-11
 事業内容:ユニット住宅セキスイハイム(鉄骨系・木質系)の販売・施工、不動産仲介、
分譲地販売、アパート事業、インテリア、エクステリア等住関連事業
 事 業 所:本社(水戸市)、つくば支店、水戸白梅事務所
 関連会社:茨城セキスイファミエス株式会社(アフターサービス、リフォーム関連会社)

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