土地・間取りのこと
外構や庭を意識した
二世帯住宅
広さを重視したら、
プライベート感がゼロに!?
理想の二世帯住宅を建てるなら、いろんなところにこだわって自分たちが夢に描いていた間取りや空間に仕上げたいと考えるのは普通のことです。日常生活を送る室内のインテリアなども、自分たち好みにしたいとも思うでしょう。
しかし、室内の奥まで光が届くような大きな窓が欲しいという場合、開放的な大開口の窓を設置すると、どんなことが起こるでしょう? 外部からの視線を遮断するために、庭先に高い塀を設置しなくてはいけなくなったり、カーテンやブラインドを閉めっぱなしにしておかなければならなかったり、という事態になることも考えておかなくてはなりません。また、夏場には室内が暑くなりすぎてしまうかもしれません。
立地や敷地の形状や向きなども考慮に入れ、実際に生活することを踏まえた「現実的な理想」を叶える建築プランの策定を目指すとよいでしょう。
いつの間にか、
モノがあふれて・・・
家族構成や生活スタイルの変化などにも対応できる工夫を凝らしておくことも、二世帯住宅を建てる際にはポイントとなるでしょう。先のことを予測するのは難しいですが、可変性のある空間を設けておくことや設備の追加ができるようにしておくことによって、その後の暮らしが大きく異なってきます。
入居時には、子世帯には子どもがおらず、親世帯だけが車を所有していた場合でも、将来的に子世帯に子供が生まれて、車が必要になるかもしれません。あるいは、庭があることからガーデニングや家庭菜園にハマってしまった場合、たくさんのプランターや用土、肥料などを保管しておくスペースに困る、ということもあり得ます。子どもが部活動を始めて、部活道具の置き場がなくて、結局玄関が物置代わり…ということにもなりかねません。
暮らしに必要なモノが増えるのは仕方がないこと。モノを減らす努力も必要ですが、モノを収納できるスペースや設備をあらかじめ確保しておくことも重要です。建築プランの段階で、考慮しておくとスムーズでしょう。
表札やポスト、
玄関まわりの工夫
二世帯住宅では、エクステリア(外構)への配慮も大切です。どのような同居形態にするかで多少の違いはありますが、玄関や表札、ポストなどを世帯ごとに設けるケースが多いでしょう。それぞれ2つずつ並んで配置されることになりますから、デザインや色、位置などには気を遣いたいものです。各世帯でバラバラに選んでしまっては、統一感がなく、チグハグな印象を与えかねません。表札については、両世帯が同じ苗字の場合、親世帯と子世帯との区別がつけやすい表記をするといった工夫も必要です。
内装・インテリアについては、それぞれの世帯の意向を反映してつくることができます。ですが、建物の外壁をはじめ、エクステリアについては共通となることがほとんど。両世帯間でしっかり相談しあって、素材選びや色の選定など、お互いに共通イメージを持って納得しながら進めるようにしましょう。
両世帯が並ぶような完全分離タイプの二世帯住宅でも、見た目の統一感を考慮したほうが良いでしょう。また、玄関など道路に面した部分については、周辺の街並みや雰囲気との調和も考えるようにしましょう。