土地・間取りのこと
バリアフリー対策は
必要ですか?
加齢対応も意識しましょう
二世帯住宅を計画する時に考えておくべきことのひとつに、高齢者に対する配慮(バリアフリー対策)があります。ほとんどの場合、親世帯と子世帯が一緒に暮らす二世帯住宅です。親がまだそれほど高齢でなくても、確実に加齢していくわけですから、将来訪れる親の高齢化を見越した間取りやバリアフリー対策は必要と言えるでしょう。場合によっては、介護や介助が必要な状況になるかもしれません。あらかじめ意識しながら計画を進めると安心でしょう。
二世帯住宅で暮らしている方に、加齢対応や介護に対応するプランを考えたかアンケートをとったところ「はい」と答えたのが64%(上記グラフ参照)。6割以上の二世帯住宅で、何らかのバリアフリー対策を講じていることがわかりました。段差をなくす、手すりを設ける、車いすでの生活にも対応できる間取りにしておくなど、バリアフリーの設備は細かなものから大掛かりなものまでまちまちです。建築時は十分でなくても、将来的にリフォームしてバリアフリー対策を強化するという考え方もあるでしょう。
「エレベーター付き」って
どうですか?
2階、3階建ての二世帯住宅では、親が高齢になってきた時に足腰が弱り、階段の上り下りに苦労することもあります。また、階段での転倒といった事故が発生するリスクも。親世帯の生活が1階だけで完結するように各設備を配置するか、ホームエレベーターを設置して上階移動がラクに行えるようにするのもおすすめです。
ホームエレベーターは、3階建ての二世帯住宅では、日常生活でも重宝するでしょう。また、車いすを利用する必要が出てきた場合にも、ホームエレベーターがあれば上下移動が楽ですし、介護サポートの負担も軽減されます。さらに、ホームエレベーターがあれば、家にいる時間が長い親世帯が日当りのいい2階・3階で暮らすことも可能になります。
これからを見据えて
車いす対応を考える
加齢や病気、けがなどによって、車いすでの生活を余儀なくされることは、誰にでも起こる可能性があります。車いすで生活しても支障のない間取りを考えて二世帯住宅を建てることは、大きな安心をもって将来を迎えられることになるでしょう。
移動スペース以外に、段差をなくす、曲がったり旋回しやすい空間を設ける、介助者のスペースを確保する、庭に出やすい、といった基本的な車いす対応のバリアフリーの要素を、少なくとも親世帯の生活エリアに盛り込んでおくことが望まれます。
また、駐車場の車への動線やデイサービスなどの送迎車への動線がスムーズであることも、考慮しておきたいポイントです。それぞれの世帯が分離したタイプの二世帯住宅は、訪問介護を受ける場合などに、子世帯側に訪問ヘルパーさんが気兼ねをする必要がないといったメリットもあります。