• 住宅・住まいウェブ
  • 提携住宅ローンのご紹介
  • 優良ストック住宅 スムストック
  • 住宅産業協議会
  • 環境共生住宅推進協議会
  • プレハブ建築協会

プレスリリース

プレスリリース一覧へ戻る

太陽光発電システム搭載住宅の電力量収支実邸調査(2013)について
◆太陽光発電システム+HEMS設置邸電力量調査から見えてきたゼロエネルギー化
◆政府の2020年目標を約59%の新築住宅で達成!

2014年3月13日
積水化学工業株式会社

 積水化学工業株式会社 住宅カンパニー(プレジデント:関口俊一)は、このほど「太陽光発電システム(以下、PV)+ホームエネルギーマネジメントシステム(以下、HEMS)搭載住宅の電力量収支実邸調査(2013)」を実施しました。
 当社では、2011年4月発売の「スマートハイム」よりHEMSを搭載しています。今回は、2012年12月までにご入居済みセキスイハイムの内1,726邸の2013年1月~12月の消費電力量・発電電力量・電力量収支について、設置されているコミュニケーション型HEMS「スマートハイム・ナビ」のデータを活用し分析しました。調査の結果、2013年のZEH※1達成邸(家電込み)が13%(前年度6.5%)、平成25年度ZEH補助金※2の要件【家電の消費電力を除いたゼロエネルギー評価、以下、ZEH(家電抜き)】による試算では約59%となりました。
 当社は1997年以降、PVの搭載を積極的に進め※3、2003年に光熱費ゼロハイム、2012年大容量PV・定置型大容量リチウムイオン蓄電池「e‐Pocket(イー・ポケット)」・HEMSの3点セットを標準搭載した「進・スマートハイム」を発売。昨年は、これをベースにZEH(家電抜き)標準仕様の「ミライ・クラス」シリーズ、標準的な規模の建物でもZEH(家電込み)を実現できる「スマートパワーステーション」シリーズを投入しました。今後新築住宅では、2016年までに家電を抜いたZEHの標準化を、2020年には家電も含めたZEHの標準化を目標に取り組むこととしています。

※1 ネット・ゼロ・エネルギー住宅の略、オール電化住宅の場合:消費電力量<発電電力量
※2 ZEH補助金:住宅・ビルの革新的省エネ技術導入促進事業費補助金(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業)
※3 2013年12月末現在で累計14万2,996棟(新築・既築の合計)となっています。その累積容量は約66万㎾(平均4.4㎾)
 年間発電電力量の推定値は約6億6,000万㎾h/年で、約11.7万世帯の年間消費電力量に相当します。
 上記PVの累計棟数について、「ソーラー住宅建設棟数№1」として3年連続ギネス世界記録®に認定されています。
(ギネス世界記録®はギネスワールドレコーズリミテッドの登録商標です)

調 査 結 果 の ポ イ ン ト

1.ZEH(家電抜き+家電込み)邸は約59%の1,015邸に

 昨年実施した「光熱費実邸調査(2012)」ではZEH(家電込み)邸は調査した母集団の6.5%でしたが、今回の調査では224邸となり、全体の13%。その電力収支はマイナス1,253㎾h/年でした。なお、ZEH(家電抜き)791邸と併せるとZEH達成邸は母集団の約59%となります。

2.ZEH(家電込み)邸の年間光熱費収支は約12万5,000円のプラス

 今回の調査は電力量を対象にしていますが、年間光熱費に換算すると、PV搭載住宅の中央値の光熱費収支はプラス1万6,252円でした。ZEH(家電抜き+家電込み)1,015邸で5万7,118円、さらに、ZEH(家電込み)224邸は、プラス12万5,211円となりました。

3.季節による変動が明確な用途別の電力量

 消費電力量の月次推移では、住宅の場合は冬場が最大値になります。冬は外気温と水温が低くなるため、給湯と暖房の負荷が大きくなるからで、今回の調査により給湯・暖房の消費抑制が重要になることが改めて確認できました。ZEH達成邸では消費電力量が少ない傾向にありますが、特に冷暖房の用途での抑制が大きく影響していることが判明しました。

■調査概要

調査目的:PV搭載住宅の消費電力量、発電電力量、電力量収支の把握
調査対象:セキスイハイムでHEMS設置のオール電化※4&PV搭載邸(2012年12月までに入居)に対して、2013年1月~12月の消費電力量、発電電力量などを調査
調査地域:全国
調査手法:HEMSサーバ内のデータを当社が分析
有効母数:1,726邸

※4 オール電化の定義:調理・給湯・暖房に電気以外(灯油、ガス等)を使わないユーザーで、HEMSにより全消費電力量が計測されている邸

■調査結果の概要

1.ZEH(家電抜き+家電込み)邸は約59%の1,015邸に

 2013年に行った「光熱費実邸調査(2012)」ではZEH達成率は6.5%でしたが、今回の調査では224邸となり、これは母集団1,726件の13%を占めていました。
 今回調査したPV搭載住宅(ZEH達成邸も含む)の中央値(平均像)は延べ床面積129.2㎡で家族数は3.7人、PV搭載容量4.99㎾(前年は4.78㎾)、発電電力量5,999㎾h/年、消費電力量8,850㎾h/年、電力量収支はプラス2,851㎾h/年でした。
 ZEH(家電抜き+家電込み)1,015邸の中央値(平均像)は延べ床面積124.3㎡で家族数は3.4人、PV搭載容量5.12㎾、発電電力量6,297㎾h/年、消費電力量7,563㎾h/年となり、電力量収支はプラス1,266㎾h/年でした。
 さらに、ZEH(家電込み)224邸の中央値(平均像)は延べ床面積124.6㎡で家族数は3.1人、PV搭載容量5.55㎾、発電電力量6,986㎾h/年、消費電力量5,733㎾h/年となり、電力量収支はマイナス1,253㎾h/年でした。
 当社では今後、「スマートパワーステーション」などZEH仕様の住宅販売をより積極的に取り組むことで、新築住宅では、2016年までに家電を抜いたZEHの標準化を、2020年には家電も含めたZEHの標準化を目標に取り組むこととしています。なお、平成25年度のZEH補助金では建築設備(空調・換気・照明・給湯)の一次エネルギー消費量を概ねゼロになるものを補助対象としており、テレビや洗濯機等いわゆる家電機器や調理機器の消費量は評価の対象となっていません。今回の調査では家電の消費電力量を分離して把握できていませんが、補助金要件の評価方法となっている「住宅事業建築主の判断の基準におけるエネルギー消費計算方法の解説」では、家電の消費電力量が3,459㎾h/年と想定されており、この値を適用した家電抜きのZEH達成率は約59%となりました。

2.ZEH(家電込み)邸の年間光熱費収支は約12万5,000円のプラス

 光熱費に換算すると、PV搭載住宅(ZEH達成邸も含む)の中央値については売電(単価38円)で電力量4,188㎾h/年、収入15万9,144円で、買電(単価20.3円)は電力量7,039㎾h/年、支出14万2,892円。約70%を余剰電力として売電し、光熱費の収支はプラス1万6,252円となっていました。
 ZEH(家電抜き+家電込み)1,015邸の中央値は、売電で電力量4,679㎾h/年、収入17万7,802円。また、買電で電力量5,945㎾h/年、支出12万684円となり、光熱費の収支はプラス5万7,118円となっていました。
 さらに、ZEH(家電込み)224邸の中央値は、売電で電力量5,637㎾h/年、収入21万4,206円。また、買電で電力量4,384㎾h/年、支出8万8,995円となり、光熱費の収支はプラス12万5,211円となっていました。
 PV容量5~6㎾台でもZEH達成、光熱費の面でも大きな貢献があることがわかりました。当社では2013年10月から「スマートパワーステーション」を発売しており、今後はPVの平均容量がさらに増加し、ZEH達成率の拡大が見込まれます。

3.季節による変動が明確な用途別の電力量

 PV搭載住宅の用途別消費電力量をみると、給湯は外気温と水温が低い冬場に最大値になることがわかります。暖房は冷房に対してピーク月では約1.8倍、シーズン合計では約3.1倍となっていたことがわかりました。時間帯別推移では電力ピークを迎える夏の昼間には消費電力量より発電電力量が大きくなっており、PVの余剰電力がピークカットに寄与していることがわかりました。一方、ZEH邸では給湯、家電照明類、冷暖房の全てで消費電力が少なく、特に冷暖房の削減効果が高いことがわかりました。

このページの先頭へ