セキスイハイムの特長
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積水化学工業株式会社 住宅カンパニー(プレジデント:関口俊一)は、このほど「太陽光発電システム(以下、PV)+ホームエネルギーマネジメントシステム(以下、HEMS)搭載住宅の電力量収支実邸調査(2014)」を実施しました。
当社では、2011年4月発売の「スマートハイム」よりHEMSを搭載しています。今回は、2013年1月~12月の間にご入居済みセキスイハイムの内、3,545邸の2014年1年間の消費電力量・発電電力量・電力量収支について、設置されているコミュニケーション型HEMS「スマートハイム・ナビ」のデータを活用し分析しました。調査の結果、2014年のZEH※1達成邸は家電込みで17%(前年度13%)、平成26年度ZEH補助金※2の要件【家電の消費電力を除いたゼロエネルギー評価、以下、ZEH(家電抜き)】による試算では約49%(同46%)となりました。
当社は1997年以降、PVの搭載を積極的に進め、2003年に光熱費ゼロハイム、2012年大容量PV・定置型大容量リチウムイオン蓄電池「e‐Pocket(イー・ポケット)」・HEMSの3点セットを標準搭載した「進・スマートハイム」を発売。2013年に標準的な規模の建物でもZEH(家電込み)を実現できる「スマートパワーステーション」シリーズ、さらに2014年には電気自動車と連携した「V to Heim」シリーズを投入するなど、スマートハウス分野をリードしてきました。このような取り組みにより、新築住宅では、2016年までに家電を除いたZEHの標準化を、2020年には家電も含めたZEHの標準化を目標に取り組むこととしています。
※1 ネット・ゼロ・エネルギー住宅の略、オール電化住宅の場合:消費電力量<発電電力量
※2 ZEH補助金:住宅・ビルの革新的省エネ技術導入促進事業費補助金(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業)
昨年実施した「電力量収支実邸調査(2013)」では家電込みのZEH達成邸は調査した母集団の13%でしたが、全体の17%に拡大しました。また、家電抜きの達成邸も昨年の46%から49%となりました。今回のZEH達成邸は合計で66%(前年は59%)。電力量収支は家電込みのZEH達成邸でマイナス1.312㎾h/年(同1,253㎾h/年)となりました。2015年は「スマートパワーステーション」の入居者データが加わるため、ZEH達成率はさらに高まる見込みです。
年間光熱費収支では、PV搭載住宅の中央値の光熱費収支はプラス1万7,127円(前年はプラス1万6,252円)でした。ZEH(家電抜き+家電込み)でプラス4万8,597円(同プラス5万7,119円)、さらにZEH(家電込み)はプラス11万4,578円(同プラス12万5,211円)となりました。
家電抜き&家電込みのZEH達成率は、「夫婦のみ」で81%、「夫婦+子ども」で68%、子ども夫婦+親夫婦で51%となり、家族の人数が少ないほど高くなる傾向となりました。また、寒冷地は発電量(日射量)が少なく冬期の消費電力が多いため、達成率が低い傾向となりました。
調査目的:PV搭載住宅の消費電力量、発電電力量、電力量収支の把握
調査対象:セキスイハイムでHEMS設置のオール電化※4&PV搭載邸(2013年1月~12月の間に入居)に対して、2014年1月~12月の消費電力量、発電電力量などを調査
調査地域:全国
調査手法:HEMSサーバ内のデータを当社が分析
有効母数:3,545邸
※4 オール電化の定義:調理・給湯・暖房に電気以外(灯油、ガス等)を使わないユーザーで、HEMSにより全消費電力量が計測されている邸
2014年に行った「電力量収支実邸調査(2013)」ではZEH達成率(家電込み)は13%でしたが、今回の調査では589邸となり、これは母集団3,545邸の17%を占めていました。
今回調査したPV搭載住宅(ZEH達成邸も含む)の中央値(平均像)は家族数は3.6人、PV搭載容量4.80㎾(前年は4.99㎾)、発電電力量5,877㎾h/年(同5,999㎾h/年)、消費電力量8,123㎾h/年(同8,850㎾h/年)、電力量収支はプラス2,246㎾h/年(同2,851㎾h/年)でした。
ZEH(家電抜き+家電込み)2,343邸の中央値(平均像)は家族数は3.4人、PV搭載容量4.88㎾、発電電力量6,078㎾h/年、消費電力量7,120㎾h/年となり、電力量収支はプラス1,042㎾h/年でした。さらに、ZEH(家電込み)589邸の中央値(平均像)は家族数は3.1人、PV搭載容量5.51㎾、発電電力量6,794㎾h/年、消費電力量5,482㎾h/年となり、電力量収支はマイナス1,312㎾h/年でした。
2014年は8月の台風頻発等の異常気象により、発電量は2013年より減少していますが、入居者側の消費電力削減も進んでおり、電力量収支では前年より改善された結果となっています。
当社では今後、「スマートパワーステーション」などZEH仕様の住宅販売をより積極的に取り組むことで、新築住宅では、2016年までに家電を除いたZEHの標準化を、2020年には家電も含めたZEHの標準化を目標としています。
なお、平成26年度のZEH補助金の要件では建築設備(空調・換気・照明・給湯)の一次エネルギー消費量を概ねゼロになるものを補助対象としており、テレビや洗濯機等いわゆる家電機器や調理機器の消費量は評価の対象となっていません。今回の調査では家電の消費電力量を分離して把握できていませんが、補助金要件の評価方法のひとつとなっている「住宅事業建築主の判断の基準におけるエネルギー消費計算方法の解説」では、家電の消費電力量が3,459㎾h/年と想定されており、この値を適用した家電抜きのZEH達成率は49%となり、家電込みの達成率と合わせると、ZEH達成率は66%となりました。
光熱費に換算すると、PV搭載住宅(ZEH達成邸も含む)の中央値については売電(単価37円)で電力量4,138㎾h/年、収入15万3,106円で、買電(単価21.3円)は電力量6,384㎾h/年、支出13万5,979円。約70%を余剰電力として売電し、光熱費の収支はプラス1万7,127円となっていました。
ZEH(家電抜き+家電込み)2,343邸の中央値は、売電で電力量4,509㎾h/年、収入16万6,833円。また、買電で電力量5,551㎾h/年、支出11万8,236円となり、光熱費の収支はプラス4万8,597円となっていました。
さらに、ZEH(家電込み)589邸の中央値は、売電で電力量5,518㎾h/年、収入20万4,166円。また、買電で電力量4,206㎾h/年、支出8万9,588円となり、光熱費の収支はプラス11万4,578円となっていました。
PV容量5~6㎾台でもZEH達成、光熱費の面でも大きな貢献があることがわかりました。当社では2013年10月から「スマートパワーステーション」を発売しており、今後はPVの平均容量がさらに増加し、ZEH達成率の拡大が見込まれます。
家電抜き&家電込みのZEH達成率を家族構成別にみると、「夫婦のみ」で81%、「夫婦+子ども」で68%、子ども夫婦+親夫婦で51%となりました。さらに家族人数でみると「2人以下」81%、「3人」73%、「4人」66%、「5人」48%と、家族の人数が少ないほど高くなる傾向となりました。
また、寒冷地は発電量(日射量)が少なく冬期の消費電力が多いため、達成率が低い傾向となっていましたが、2014年は家電抜きのZEH達成邸は島根、福井、秋田、石川、家電込みのZEH達成邸については大分、鳥取、福島、新潟の各県で新たに出現。寒冷地でもZEHは拡大していました。