セキスイハイムの特長
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積水化学工業株式会社 住宅カンパニー(プレジデント:関口俊一)では、このほど太陽光発電システム(以下、PV)とホームエネルギーマネジメントシステム(以下、HEMS)搭載住宅のゼロエネルギー達成度及び蓄電池の運転実績調査を実施しました。
今回は、2014年1月~12月の間にご入居済みセキスイハイムのうち、3,078邸の2015年1月~12月の消費電力量・発電電力量・電力量収支について、設置されているコミュニケーション型HEMS「スマートハイム・ナビ」のデータを活用し分析。結果として①家電込みゼロエネルギー邸が32%(前年度17%)、②ZEH相当邸が27%(同30%)に達していることが判明、PV搭載邸の59%(①、②の合計、同47%)がゼロエネルギーを達成しました。また、FITの買い取り期間の終了後を見据え、定置型大容量リチウムイオン蓄電池「e‐Pocket(イー・ポケット)」の搭載邸1,368邸における蓄電池の放電量の実績把握と、電力の自給自足を想定した運転の効果検証も実施しました。
当社は1997年以降PVの搭載を積極的に進め、2003年に光熱費ゼロハイム、2012年には大容量PV・蓄電池・HEMSの3点セットを標準搭載した「進・スマートハイム」を発売。2013年に標準的な規模の建物でもゼロエネルギー(家電込み)を実現できる「スマートパワーステーション」シリーズ、2014年には電気自動車と連携した「VtoHeim(ブイ トゥ ハイム)」シリーズを投入するなど、スマートハウス分野をリードしてきました。今後もさらなる先進技術の導入により、ゼロエネルギー住宅の普及強化ならびにエネルギー自給自足型住宅の進化に取り組んでいきます。
1.ZEH相当以上のゼロエネルギー邸が59%、家電込みゼロエネルギー邸が前年比約2倍の32%に
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2015年12月に「ZEHロードマップ検討委員会」により、国のZEHの定義が明確化されました。定義としては「運用時ではなく設計時で評価する」とされ、また、ZEHの判断基準の条件となる基準一次エネルギー消費量、設計一次エネルギー消費量の対象は「暖冷房、換気、給湯、照明とする」(=家電消費量は含まない)等となっています。
当社では2010年より「PV搭載住宅の電力量収支実邸調査」を実施してきました。これはPVの運用実績によりその貢献度合いを推し量るものですが、今回明確化された国のZEHの判断基準の定義とは異なる部分があります。異なる部分とは「運用時の評価」と「家電も含めたエネルギー収支」(=家電込みのエネルギー収支)ですが、「運用時の評価」には「家電込みのエネルギー収支」が不可欠のため、今回の当社調査では、国のZEH判断基準の定義に準拠した評価と、当社独自の「家電込みエネルギー収支(運用時)」による評価を加えて実施しました。具体的には「家電込みゼロエネルギー」、「ZEH相当」、「Nearly ZEH相当」、「非ZEH」の4つの区分でゼロエネルギー達成度を評価しています(下表参照)。
また、2014年に蓄電池搭載実邸の調査有効母数が年間1,000棟を超える規模になりましたので、今回はそれら実邸の蓄電池運転実績に関する調査結果を初めて報告。昨年までの「PV搭載住宅の電力量収支実邸調査」を改め、「太陽光発電システム搭載邸のゼロエネルギー達成度及び蓄電池搭載邸の運転実績調査(2015)」としました。
調査目的 : | PV搭載住宅の消費電力量、発電電力量、電力量収支の把握 |
調査対象 : | セキスイハイムでHEMS設置のオール電化※1&PV搭載邸(2014年1月~12月の間に入居)に対して、2015年1月~12月の消費電力量、発電電力量などを調査 |
調査地域 : | 全国(有効母数 3,078邸) |
調査手法 : | HEMSサーバー内のデータを当社で分析 |
※1 オール電化の定義:調理・給湯・暖房に電気以外(灯油、ガス等)を使わないユーザーで、HEMSにより全消費電力量が計測されている邸
※2 ZEH相当、Nearly ZEH相当とも、国のZEH判定に使う計算式を準用しています。また、今回の調査では家電消費電力を分離して測定できていませんので、省エネルギー基準における家電消費電力相当(120㎡以上の住宅で2,173㎾h/年)を使ってゼロエネルギー達成度を計算しています。
調査目的 : | ①蓄電池搭載邸における放電量の実績把握 ②将来の自給自足を想定した運転の効果を試算・検証 |
調査対象 : | 上記1.のゼロエネルギー達成度調査該当邸の内、蓄電池を搭載している邸に対して2015年1月~12月の放電電力量等を調査 |
調査地域 : | 全国(有効母数1,368邸) |
調査手法 : | HEMSサーバー内のデータを当社が分析 |
(1)ZEH相当以上のゼロエネルギー邸が59%、家電込みゼロエネルギー邸が前年比約2倍の32%に
①「家電込みゼロエネルギー邸」が32%(前年度17%)、②「ZEH相当邸」27%(同30%)、
③「Nearly ZEH相当邸」20%(同27%)、④「非ZEH邸」21%(同26%)となり、
この結果、PV搭載邸の59%(①、②の合計、前年度47%)がゼロエネルギーを達成しました。
(2)家電込みゼロエネルギー邸の年間光熱費収支は約17万8,500円のプラス
「ZEH相当以上邸」(上記円グラフ①+②)は1,826邸で、家族数の平均値は3.4人(前年と同じ)、中央値はPV搭載容量5.94㎾、発電電力量6,984㎾h/年、消費電力量6,708㎾h/年となり、電力量収支はマイナス276㎾h/年でした。このうち、「家電込みゼロエネルギー邸」(同①)は978邸で、家族数の平均値は3.4人(前年は3.1人)、中央値はPV搭載容量7.92㎾、発電電力量9,073㎾h/年、消費電力量6,177㎾h/年となり、電力量収支はマイナス2,896㎾h/年でした。
光熱費に換算すると、「ZEH相当以上邸」の中央値は、売電で電力量5,363㎾h/年、収入19万8,431円。また、買電で電力量5,087㎾h/年、支出10万9,371円となり、光熱費の収支はプラス8万9,061円となっていました。「家電込みゼロエネルギー邸」の中央値は、売電で電力量7,501㎾h/年、収入27万7,537円。また、買電で電力量4,605㎾h/年、支出9万9,008円となり、光熱費の収支はプラス17万8,530円となっていました。
今回の調査では、蓄電池搭載邸の放電量の実績把握と将来の電力の自給自足を想定した運転の効果検証のため、「蓄電池搭載実邸の運転実績調査」も実施しました。当社の搭載している蓄電池はグリーンモード(自立優先モード)、経済モード(経済優先モード)、非常運転モード(停電時モード)の3つのモードで運転ができますが、今回は経済モードとグリーンモードの2つを対象に調査しています(経済モードは実際の運転実績値を、グリーンモードは消費電力量、発電量の年間実績に基づく試算値にて分析を行っています)。
蓄電池の経済モード運転の場合、年間の放電量実績は中央値で1,310㎾h/年、消費電力が多い冬と夏に放電量が多くなっていました。深夜電力を充電し、PVが売電していない時間(通常は朝、夜)に放電することになりますが、結果、放電時間帯が朝および夜に限定されることになります。
一方、グリーンモード運転の場合は夕方から翌朝までの長時間放電が可能となるため、経済モードよりも放電量が増加し中央値が1,590㎾h/年と、より蓄電池を活用できることが分かりました。
グリーンモード運転では系統に流出する電力を24%抑制でき、さらに電力自給率も42%(PV直接23%+蓄電池利用19%)となり、PVから直接自家消費するのに比べ、自給率がほぼ倍増することも分かりました。これらのことから、当社では、将来的にFITの買い取り期間が終了した際、蓄電池搭載住宅の有効性が高まると考えており、蓄電池の搭載をさらに推進していきます。