セキスイハイムの特長
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積水化学工業株式会社 住宅カンパニー(プレジデント:関口俊一)では、このほど太陽光発電システム(以下、PV)とホームエネルギーマネジメントシステム(以下、HEMS)搭載住宅のゼロエネルギー達成度及び蓄電池の運転実績調査を実施しました。
今回は、2015年1月~12月の間にご入居済みセキスイハイムのうち、2,658邸の2016年1月~12月の消費電力量・発電電力量・電力量収支について、設置されているコミュニケーション型HEMS「スマートハイム・ナビ」のデータを活用し分析。その結果、①家電込みゼロエネルギー邸が40%、②ZEH相当邸が25%に達し、ZEH相当以上のゼロエネルギー邸が65%(①、②の合計)に達していました。また、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(以下、FIT)の買い取り期間の終了後を見据え、定置型リチウムイオン蓄電池「e-Pocket(イー・ポケット)」の搭載邸757邸における蓄電池の放電量の実績把握と、将来の電力の自給自足を想定した運転の効果を試算検証しました。その結果、ゼロエネルギーが実現可能なPV容量の邸に蓄電池を併設した場合、電力自給率を45%に高めることができ、今後拡大が期待されるエネルギー自家消費型住宅への道筋がつけられました。
(1)ZEH相当以上のゼロエネルギー邸が65%、家電込みゼロエネルギー邸が40%に①「家電込みゼロエネルギー邸」が40%、②「ZEH相当邸」25%となり、この結果、PV搭載邸の65%(①、②の合計)がゼロエネルギーを達成しました。(2)家電込みゼロエネルギー邸の年間光熱費収支は約17.6万円のプラス電力量収支は「家電込みゼロエネルギー邸」でマイナス3,341㎾h/年(中央値)、年間光熱費収支では、プラス17.6万円(中央値)となりました。(3)光熱費ゼロ※1以下邸が70%を占める①、②のゼロエネルギー達成邸ではほとんどが、③「Nearly ZEH相当邸」の約4割が光熱費ゼロ以下となっていました。 |
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蓄電池搭載邸の放電量の実績把握と将来の電力の自給自足を想定した運転の効果を試算検証するため、「蓄電池搭載実邸の運転実績調査」も実施しました。
グリーンモード運転の場合は、年間の放電量試算結果は中央値で1,750㎾h/年、容量あたりの放電量は251㎾h/年、平均稼働率は約80%となり、より蓄電池を活用できることが分かりました。
グリーンモード運転の場合、電力自給率は45%。ゼロエネルギー達成度調査の母集団全てが蓄電池なしとした場合、電力自給率は23%と想定され、22%向上することが分かりました。
※1 光熱費ゼロ:PV余剰電力の売電収入が電力会社への支払い金額(買電)を超えるもの ※2 グリーンモード:自立優先モード、PVから充電し、夜から朝に放電
2015年12月に「ZEHロードマップ検討委員会」にて、国のZEH定義が明確化され普及の方策が示されました。当社では国のエネルギー基本計画にZEH普及が明記された2010年より「PV搭載住宅の電力量収支実邸調査」を実施してきました。これは、ロードマップ委員会取りまとめに記載されている「自主的な目標設定と進捗管理」「家電等を含む実際のエネルギー消費量とZEHの定義で対象としているエネルギー消費量の違いについてのわかりやすい情報提供」を先取りするものと捉えています。また、2017年1月の経済産業省新エネルギー小委員会資料では、エネルギー貯蔵技術、再エネ自家消費電力量のあり方等が今後の検討課題にあげられており、今後PV電源の有効活用策として蓄電池との併用が想定されますので、今回はすでに併用導入しているお客様の実績を調査しました。
※3 HEMS設置のオール電化の定義:調理・給湯・暖房に電気以外(灯油、ガス等)を使わないユーザーで、HEMSにより全消費電力量が計測されている邸 ※4 今回の調査では家電消費電力を分離して測定できていませんので、省エネルギー基準における家電消費電力相当(120㎡以上の住宅で2,173kWh/年)を使ってゼロエネルギー達成度を計算しています。
①「家電込みゼロエネルギー邸」が40%、②「ZEH相当邸」25%この結果、ZEH相当以上のゼロエネルギー邸が65%(①、②の合計)に達していたことが判明しました。
「家電込みゼロエネルギー邸」(上記円グラフ①)は1073邸で、家族数の平均値は3.4人、中央値はPV搭載容量8.91㎾、発電電力量10,118㎾h/年、消費電力量6,777㎾h/年となり、電力量収支はマイナス3,341㎾h/年でした。
光熱費に換算すると「家電込みゼロエネルギー邸」の中央値は、売電で電力量8,459㎾h/年、収入28.4万円。また、買電で電力量5,118㎾h/年、支出10.8万円となり、光熱費の収支はプラス17.6万円となっていました。
※5 売電単価:エリアごとに異なる売電単価を調査棟数比で案分した値 ※6 買電単価:燃料調整費、再エネ賦課金等も考慮し弊社で算出した想定値
2016年は前年に比べ電力収支は改善した一方、光熱費収支に関して悪化していますが、これは売電価格が約3.4円/㎾h低下したこと、買電価格が0.6円/㎾h上昇したことによるものです。
売買電力量と売買単価の掛け合わせによる個別邸の光熱費試算を行ったところ、①「家電込みゼロエネルギー邸」及び②「ZEH相当邸」ではほとんどが、③「Nearly ZEH相当邸」の約4割が光熱費ゼロ以下となり、全体では光熱費ゼロ以下邸が70%を占めていました。
蓄電池搭載邸の放電量の実績把握と将来の電力自給自足を想定した運転の効果検証のため、FIT適用中のユーザーが利用している経済モードと、FIT終了後に運用が予想されるグリーンモードの2つを対象に「運転実績調査」を実施しました。経済モードは実際の運転実績値を、グリーンモードは消費電力量、発電量の年間実績に基づく試算値にて分析を行いました。
* 当社の搭載している蓄電池はグリーンモード(自立優先モード:PVから充電し、夜から朝に放電)、経済モード(経済優先モード:深夜電力を充電し朝晩に放電)、非常運転モード(停電時モード)の3つのモードで運転ができます。 * 757邸(前年1368邸)を対象にしており、平均容量は6.98㎾h/邸(前年6.67㎾h/邸)となっています。
経済モード運転の場合、年間の放電量実績は中央値で1,401㎾h/年(前年1,312㎾h/年)、容量あたりの放電量は201㎾h/年(同197㎾h/年)、平均稼働率は約65%となっていました。一方、グリーンモード運転の場合は、年間の放電量試算結果は中央値で1,750㎾h/年(同1,590㎾h/年)、容量あたりの放電量は251㎾h/年(同238㎾h/年)、平均稼働率は約80%となり、より蓄電池を活用できることが分かりました。
*放電可能量約6㎾h/日の蓄電池を採用、1年365日フル稼働したとすると、最大2,200㎾h(≒6×365)の放電が可能。想定される稼働率は 経済モードで 1,401㎾h/2,200㎾h≒65%、グリーンモードで1,750㎾h/2,200㎾h≒80%
また、グリーンモード運転の場合、電力自給率は45%となりました。今回のゼロエネルギー達成度調査の母集団全てが蓄電池なしとした場合の電力自給率は23%(≒1,760㎾h/7,676㎾h)と想定され、22%向上することが分かりました。(何れも中央値)
当社では、将来的にFITの買い取り期間が終了した後に想定される電力購入単価がPV発電電力の売電単価を上回るようになった際に、PV電源の有効活用策として、蓄電池の搭載等をさらに推進していきます。