セキスイハイムの特長
理念
展示場・イベントのご案内
積水化学工業株式会社 住宅カンパニー(プレジデント:関口俊一)の住宅事業の歴史は、1971年に発売した第1号商品『セキスイハイムM1』の開発から始まりました。その開発者である建築家・故大野勝彦氏及び当社設計者の設計資料などが、東京国立近代美術館(東京都千代田区北の丸公園3-1)において開催される展覧会「日本の家 1945年以降の建築と暮らし」(会期:2017年7月19日より10月29日迄)で、紹介されることになりましたのでお知らせします。我が国の戦後の住まいづくりのあり方をご理解いただける貴重な展示となりますので、ぜひ足をお運びください。
『セキスイハイムM1』は、大野勝彦氏を開発アドバイザーとして招聘し、1971年、当社の住宅分野への参入に伴い発売した商品です。開発の目的は、「現代民家システム」の構築であり、開発の対象は現代民家システムの中核となるユニット工法とそのプロトタイプとしての『セキスイハイムM1』でした。詳細は以下の通りです。
高度成長が終焉を迎えた1970年頃になると、都市への人口集中、地域コミュニティの喪失、スプロール化、住宅や住環境の質などが社会問題として顕在化し、量の増大、供給者主導であった戦後の住宅供給は転換期を迎えます。そして、住宅に関連する様々な検討が始まり、その一つの解として大野勝彦氏は現代民家システムを提案しています。
その著書『現代民家と住環境体』の中で「過去において、民家は村々の自然環境と、コミュニティと素材の生産力と人々の労働力のバランスの中で超時間・超空間的にバランスのとれた形で合理的にかつ創造的につくりあげられてきた。急激な変化の中で忘れられていたプロトタイプとしての民家とその集落づくりのシステムの中に、生活と技術の原型すなわち『建築』の方法の原型を発見して、よりよい住空間、住環境体をつくりあげていかねばならないと考えた。」と述べています。
また、「住宅の質の問題、とくに耐久性と時間変化に対するフレキシビリティのレベル、すなわち社会的住宅ストックとしての価値のレベルでとらえなければ意味がない。」と考え、「住宅と住環境づくりの方法の再出発点としては、プロトタイプとしての民家のもつ方法論を現代の高度に発達したシステム技術、工業化技術を利用して『現代民家』のシステムを構成していくこと」としています。
ユニット工法は、工業化の進捗や住まい手のニーズへの対応などより様々な解釈や判断が成され、多様な形態が作られてきました。その一つである『セキスイハイムM1』のユニット工法では、次の4点をコンセプトとしていました。
主な基本仕様は以下の通りです。
部 位 等 | 内 容 |
---|---|
ユニット構造 | ボックスラーメン構造 |
ユニットサイズ(構造体外寸) | 妻サイズ: 2,400mm、 桁サイズ: 5,000mm、 高さ: 2,700mm |
基本モジュール | サイズ 800mm、 天井高さ 2,250mm |
構造材 | 材料: 特殊溶融亜鉛メッキ鋼材 |
構造ジョイント | 妻方向: 無し、 桁方向: ジョイントプレートボルト接合、 上下方向: 妻梁間ボルト接合、 妻桁繋ぎ: 可能(専用8本柱ユニット) |
基礎 | 独立基礎(のちにライン基礎に変更) |
屋根・外壁 | 屋根材: 亜鉛鉄板、 外壁: 塗装メッキ鋼板 |
なお、『セキスイハイムM1』は、2003年に日本建築学会とドコモモ(DOCOMOMO)※日本支部が選定する「日本のモダニズム建築100選」(当時)に選出、2013年には独立行政法人・国立科学博物館が主催する「重要科学技術史資料」(愛称:未来技術遺産)に選定・登録されています。
※ Documentation and Conservation of buildings, sites and neighborhoods of the Modern Movement
=モダン ・ムーブメントにかかわる建物と環境形成の記録調査および保存のための国際組織
「日本の家 1945年以降の建築と暮らし」展は、戦後の代表的な56組の建築家による75件の住宅建築を、模型、図面、映像などで紹介。東京国立近代美術館と国際交流基金が主催するもので、2016年11月のローマ、2017年3月のロンドンに続き、東京で開催されます。
「日本の家 1945年以降の建築と暮らし」展についてはこちら☟
http://www.momat.go.jp/am/exhibition/the-japanese-house/#section1-1
『セキスイハイムM1』の外観