セキスイハイムの特長
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積水化学工業株式会社 住宅カンパニー(プレジデント:神𠮷利幸)は、このほど「長期停電時における蓄電システムの稼働状況調査」を実施し、結果をまとめましたのでご報告します。
当社では1997年より太陽光発電システム(以下、PV)の戸建て住宅への搭載をスタートし、2011年よりコンサルティング型ホーム・エネルギー・マネジメント・システム「スマートハイム・ナビ」(以下、HEMS)を標準搭載した「スマートハイム」を発売。また、2012年には定置型大容量リチウムイオン蓄電池「e-Pocket(イーポケット)」(以下、蓄電池)を導入、さらに、2014年より住宅と電気自動車(以下、EV)に搭載されている大容量蓄電池の間で電力のやり取りを行える V2H(Vehicle to Home)システムを標準搭載した「VtoHeim (ブイ トゥ ハイム)」を発売するなど、蓄電システムを採り入れた住まいの普及を進めてきました。
本調査は、大規模な停電が発生した2018年9月に発生した、北海道胆振東部地震(以下、北海道地震)、台風21号、同24号において、当社住宅に採り入れた蓄電システムの有用性を明らかにする目的で実施しました。
1.HEMSにより停電時の蓄電システムの稼働状況を遠隔で確認
北海道地震と台風21号、同24号の発生により、合計約775万戸の停電が発生しました。最大停電時間※1は北海道地震で約50時間※2、台風21号で約120時間※2、同24号で約70時間※2に及びました。被害発生エリアにおいて当社のPV、HEMS、蓄電システム搭載住宅のうち約8%の1391戸で蓄電システムが稼働、お客様に昼夜を通じて電気がある暮らしの安心をご提供できました。お客様から多数のご評価の声をいただき、蓄電システムがある住まいの有用性を改めて確認しました。
2.停電時でも日常に近い電力を供給
当社のHEMSデータを分析したところ、最大約4日の長期停電の間、PVと蓄電池で電力を確保できた事例や、停電時の消費電力が停電復旧後と同等であった事例※3などが確認できました。
・蓄電池搭載邸
コンパクトタイプの蓄電池でも、夜間を含め一日中電気が供給されたことがわかりました。
・V2Hシステム搭載邸
EVに搭載されている大容量蓄電池を活用し、停電時でも空調や給湯器が使用できていたことが明らかになりました。
蓄電システムを搭載しエネルギーの自給自足を目指す暮らしが、停電時にも効果を発揮することが今回改めて実証されました。
2018年は大阪府北部地震、北海道地震、台風21号、同24号の発生など、相次ぐ大規模な自然災害に見舞われた1年となりました。長期間にわたる停電や断水など社会インフラのマヒにより、多くの方々が避難生活を余儀なくされる等、生活再建に大変な苦労をされています。
今後、台風・豪雨被害は地球温暖化の影響もあり、さらに拡大し、より頻発することが予想される中、住宅における対策もより重要になると考えられます。すでに、停電災害は頻発しており、過去8年間で約2600万戸※4の住宅で発生しています。これはわが国の全住宅の約2分の1※5を占める計算となり、早急な対策が求められます。
北海道地震では、送配電トラブルから全道がブラックアウトする事態となり、電力供給システムの脆弱さが浮き彫りになりました。台風21号・同24号でもより広域な地域で停電が発生したことから、災害時の電力安定確保に向けた対策の重要性は明らかです。
さらに国も、停電時にも自立可能な蓄電池等を備えたレジリエンス(防災・減災)を強化した住宅の普及促進を開始しています。今後はより一層、家庭においても停電時でも再生可能エネルギーを自立的に活用できることやエネルギー供給源を分散化できることが求められます。
本調査は以上のような情勢を踏まえ、さらに2018年は当社が蓄電システムを導入して以降、類を見ないほど全国規模の長期停電が多発した1年であったことから、その有用性を改めて明確化する目的から実施したものです。
当社では、停電時にもエネルギーを確保しお客様に安心を提供できる住宅が重要であると考え、大容量PVや蓄電システム、さらに停電時でも遠隔で蓄電システムの稼働状況を確認できるHEMSの普及を進めてきました。新築・リフォームの合計で、2018年9月時点でPVを約19万9000棟、蓄電池を約1万7000台、V2Hを約500台、HEMSを約5万2000台以上出荷しており、業界ナンバーワン※6の出荷実績を有しています。
PVと蓄電池を設置した住宅では、停電が起きた際、日中はPVで発電した電力を使用し、余った電力は蓄電池に充電します。日没後は蓄電池に貯めた電力を使用することで電力が使える生活を送ることができます※7。2016年9月出荷分からは、停電発生時に自動でPVから蓄電池に充電されるシステムが導入されています。急な停電に対応するため常に蓄電池に一定の電力を残しておくよう設定することも可能です。
また、HEMS(スマートハイム・ナビ)は、お客様邸と当社データサーバーが接続され、邸別のエネルギー使用状況を遠隔で把握することもできます。
1.HEMSにより停電時の蓄電システムの稼働状況を遠隔で確認
2.停電時でも日常に近い電力を供給
当社のHEMSデータを分析したところ、最大約4日の長期停電の間、PVと蓄電システムで電力を確保できた事例や停電時にも空調が使用できていた事例などが確認できました。北海道地震、台風21号、同24号の合計で、当社の蓄電システム出荷邸のうち約8%で停電時の蓄電システムが稼働しました。
北海道地震では北海道全域の約295万戸で停電が発生しました。そのうち494戸のセキスイハイムの住宅で蓄電池が稼働しました。台風24号では220万戸以上の住宅で停電が発生し、600戸以上のセキスイハイムの住宅で蓄電システムの稼働が確認されました。
以上のことから蓄電システムを搭載しエネルギーの自給自足を目指す暮らしが、停電時にも効果を発揮することを今回改めて確認しました。
北海道地震や台風21号による長期停電の間、PVと蓄電システムで電力を確保できた事例が多くあった一方、PVの容量が大きくないケース、大量の電気を使用されたお客様などでは、蓄電池の充電が不足した事例もみられました。
そこで当社では、台風24号の上陸に備え事前に被害が予想される地域にお住まいのお客様33,819邸に向けて「PV・蓄電池の使い方ご説明メール」をお送りいたしました。その結果、当社で操作状況を確認できるお客様のうち、約13%のお客様が蓄電池の残量を多く残すなど、停電に備えるための操作を実施されました。中でも大きな被害が予想されていた中部・東海地方で多くのお客様が操作をされていたことがわかりました。
当社では、スマートハイムの普及と共に、今後もより多くのお客様に設備を使いこなしていただくための取り組みを進め、安心な暮らしをご提供できるよう、努めてまいります。
★天候およびお客様の家電使用状況や太陽光発電・蓄電池仕様によるため、全てのお客様邸で上記のような稼働状況、停電時の生活を保証するものではありません。