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生涯健康脳住宅研究所

「リフォームによる中高齢者の健康効果の調査」について
-「生涯健康脳」の実現に向け、より広範囲なリフォームがカギに-

2020年1月21日
株式会社住環境研究所
生涯健康脳住宅研究所

積水化学工業株式会社 住宅カンパニー(プレジデント:神𠮷利幸)の調査研究機関である株式会社住環境研究所(所長:小池裕人、千代田区神田須田町 1‐1)と、同所内の生涯健康脳住宅研究所(所長:嘉規智織)は、このほど「リフォームによる中高齢者の健康効果の調査」を実施し、結果をまとめましたのでお知らせします。

「人生100年時代」を迎え、いかに健康寿命を延ばすかに関心が集まるなか、脳の健康を保つ「生涯健康脳」という考え方が注目されています。「生涯健康脳」とは、東北大学加齢医学研究所 瀧靖之教授が提唱する概念です。脳の活性化や機能維持のためには毎日の生活習慣が重要であり、なかでも「会話」「食事(調理)」「運動」「睡眠」の4つの生活習慣(当社では「話食動眠(わしょくどうみん)」と呼称)に配慮することで、健康な生活をより長期化させるという考え方です。

生涯健康脳住宅研究所では、この「話食動眠」をサポートする機能を備えた住まいを研究しています。その一環として今回、持ち家をリフォームした中高齢者に対し、リフォームによって気持ちや行動に変化が現れ、「話食動眠」にどのような影響があったかを探りました。

調査結果のポイント

1.LDK(リビング・ダイニング・キッチン)全体のリフォームで調理意欲が増し、人を招きたいという思いに

キッチンを含むLDK全体のリフォームにより気持ちも変化が見られ、「調理が億劫だと思う」が減り、「親族・友人を招きたい」「生活が楽しい」など多くの項目で良い影響が見られました。

2.断熱リフォームでは、快適性が増したリビングに家族が集まりやすくなり、会話も増加

断熱リフォームを行った方では、「暑さ寒さ解消」のほか、「家族が集まりやすくなった」「会話が増えた」などの回答がみられ、住宅の温熱環境の改善がコミュニケーションの活性化にも効果があることがわかりました。

3.玄関まわりリフォームによって外出が楽しみになり、友人と交流するなど活動量が増進

玄関周りのリフォームによって安心して外出できる環境が整い、「外に出たい」「友人と交流したい」など行動力が増す傾向にあることが読み取れました。

4.水まわりリフォームでは、洗面・浴室・トイレの全体改修で気分が明るくなり、睡眠にも好影響

「掃除がしやすい」といった利便性のほか、「入浴が楽しみ」「リラックスできる」「気持ちが明るくなった」「寝つきが良い」など多くの効果があることが明らかになりました。

調査概要

リフォームを実施した方に、「リフォーム前」の生活状況と「リフォーム後」の生活状況について主観評価で回答してもらい比較を行うことで、中高齢者のリフォーム実施による「話食動眠」への効果を調査しました。

調 査 対 象 セキスイハイムに居住する中高齢者で、2017年~2018年にリフォーム実施者
対象者の平均年齢66.7歳(40~50代13%、60代52%、70代31%、ほか)
平均築年数26.6年(築20~24年22%、築25~29年32%、築30~34年21%、ほか)
調 査 エ リ ア 首都圏
調 査 手 法 主観評価の尺度は、ビジュアルアナログスケール(VAS)を用いた尺度は、
全くない(0)~非常にある(10)の10段階とし、平均得点を算出した
分 析 手 法 t検定を行いデータの有意性を確認、有意差は p<0.05 とした調査結果は、有意差のある項目のみを明示する
調 査 方 法 インターネット調査
調 査 時 期 2018年8月19日~9月9日
有 効 回 答 54件

リフォーム内容は以下の内容とした。(複数部位実施を含む、カッコ内の数値は件数)

リフォーム内容

調査結果の概要

1.LDK全体のリフォームで調理意欲が増し、人を招きたいという思いに

LDKリフォームの前後で生活状況や心身の変化があったかを10項目で質問したところ、キッチンを含むLDK全体をリフォームした方では、「調理が億劫だと思う」が減り、「気持ちが明るい」「生活が楽しい」「モノを片付けやすい」「親族・友人知人などを招きたい」といった項目で有意差が見られました(グラフ1)。多くの時間を過ごすLDKが居心地の良い空間に変わることで、意識も行動もポジティブになり、人を招きたいという思いや、積極的に調理に取り組む姿勢につながると思われます。「話食動眠」の特に「会話」や「食事(調理)」において、よい影響をもたらすと考えられます。

グラフ1 LDK全体をリフォーム(平均得点)

2.断熱リフォームでは、快適性が増したリビングに家族が集まりやすくなり、会話も増加

断熱リフォームの前後で生活状況や心身の変化があったかを10項目で質問したところ、「寒さ・暑さを感じること」が減り、「リビングなどに集まりやすいと思う」という項目で有意差が見られました(グラフ2)。居住空間の快適性が増すことで、自然と家族が集まるようになり、コミュニケーションが活発になることがわかります。また、「家族の会話が多くなった」「親族や友人・知人などを招きたいと思う」といった項目でも有意差の傾向がみられ、「話食動眠」のなかの「会話」においてよい影響をもたらすことが読み取れます。

グラフ2 断熱まわりリフォーム(平均得点)

3.玄関まわりリフォームによって外出が楽しみになり、友人と交流するなど活動量が増進

玄関まわりリフォームの前後で生活状況や心身の変化があったかを8項目で質問したところ、「外出するのが楽しみ」「友人・知人との交流を積極的にしたい」の2項目で有意差が見られました(グラフ3)。玄関リフォームで安心・快適に外出できるようになり、周囲との付き合いにも積極性が生まれたと考えられます。また、外に出て活動的になることは、「話食動眠」のなかの「運動」においてもよい影響をもたらすといわれています。

グラフ3 玄関まわりをリフォーム(平均得点)

4.水まわりリフォームでは、洗面・浴室・トイレの全体改修で気分が明るくなり、睡眠にも好影響

水まわりのリフォーム前後で生活状況や心身に変化があったかを10の項目で質問したところ、「洗面・浴室・トイレをリフォーム」した方では、「入浴が楽しみ」「安心して入浴できる」「浴室掃除がしやすい」「リラックスできる」「気持ちが明るい」「生活全般に活気がある」「目覚めがよい」「寝つきが良い」の8項目で有意差が見られました(グラフ4)

水まわりをリフォームすることで、利便性に加え、楽しさや安心などの快適性を実感していることがわかります。また、「話食動眠」のなかの「睡眠」においても良い傾向が見られます。これは、浴室やトイレの快適性が増したことによりストレスが軽減され、さらに就寝前の入浴でリラックスできるようになったことが、良質な睡眠につながった可能性が考えられます。

グラフ4 浴室・洗面・トイレの 3 カ所をリフォーム(平均得点)

調査結果に関する生涯健康脳研究所の見解

今回の調査結果から、リフォームにより「掃除がしやすい」「モノが片付けやすい」などの利便性はもちろんのこと、「生活が楽しい」「気持ちが明るくなった」「生活全般に活気がある」など気持ちが前向きになることが読み取れます。さらに、睡眠の質の向上や調理の継続、家族や知人との会話の増加、積極的な外出により運動にもつながるなど「会話」「食事(調理)」「運動」「睡眠」への良い影響も大いに期待できます。また「話食動眠」は4つの生活習慣がそれぞれに影響を及ぼしあい、生活に好循環をもたらすと考えられます。住まい全体を広範囲にリフォームすることは「話食動眠」の4つの生活習慣に幅広く好影響をもたらすことができるため、より健康な生活を長期化させることができる可能性があると考えます。

リフォーム箇所と話食動眠への効果

以上を踏まえ、生涯健康脳住宅研究所では今後も、「会話」「食事(調理)」「運動」「睡眠」に関する意識と住まいについて継続的に調査を行い、発信していく予定です。

<参考>

【生涯健康脳住宅研究所とは】

話食動眠の生活改善サイクル

積水化学工業㈱住宅カンパニーでは、1994年に「加齢配慮住宅研究所」を設立し、高齢化社会における住宅問題の研究や、それに基づく解決策を盛り込んだ商品企画を手掛けてきました。高齢化の進展により住まいの課題の重点が「対応から予防へ」と変化していることから、新たな概念による新たな体制での研究が必要との考えに至り、住環境研究所内に生涯健康脳住宅研究所を新設しました。当究所では東北大学加齢医学研究所などの研究機関とも連携。脳の育成、活性と住まいや暮らし方の関係性について調査、研究を進めるとともに、住環境研究所ホームページ上の専用コンテンツによる情報発信も行っています。(URL:https://www.jkk-info.jp/brain/

「話食動眠」とは、「生涯健康脳」を維持するために掲げているコンセプトキーワードであり、「会話」「食事(調理)」「運動」「睡眠」のことです。会話が増えると、食事が美味しくなり、活動的になり、良く眠れるようになり、一巡して更に会話が増えるといった生活の好循環を作り出すと考えています。



≪注釈≫

  • ※ビジュアルアナログスケール(VAS)とは、痛みの程度を0点から10点までの数値として表現(スコア化)する方法。10cmの線を引き、線上に現在の程度を主観で印をつける。最近では様々な心理学的な指標に用いられている。
  • ※p値(probability-value/有意確率)とは、統計的仮説検定において、帰無仮説のもとで得られた検定統計量が実現する確率。「確率的に偶然とは考えにくく、意味があると考えられる」ことを指す。p値が0.01(p=0.01)というのは、この結果を偶然生じることが100回に1回あることを意味する。 p<0.05 ある事柄が偶然起こる確率が5%以内という意味を用いるのが一般的である。

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