ゆとりのある家に住みたい!そんな希望があったとしても、特に都市部の住宅購入を考えると、なかなか難しいものです。実は最近、「コンパクトな家」、いわゆる小規模住宅を選ぶ人が増加しているのをご存知でしょうか?小さい家だからこそ生まれるメリットを見てみましょう。

小さい家を選ぶ人が増加?
価格や世帯人数で検討を

近年、「持ち家」の床面積の全国平均は、減少傾向にあるようです。国土交通省の『住宅着工統計』(2017年)によると、1997年では平均139.2m²であったのが徐々に減っていき、2017年には120.5m²に。そんな小規模戸建てを選ぶ人が増加している要因を、(株)住環境研究所の調査からひも解いてみます。

「コンパクトな家」を選択した理由
(主要5つ)

複数回答可

下の説明を表すグラフ

(株)住環境研究所『小規模戸建住宅のプラン実態調査』(2013年12月)
対象:100m²以上の敷地に建つ延床面積110m²未満の2階建て住宅にお住まいの方=864名

延床面積110m²未満の小規模戸建てを選んだ理由としては、「住宅ローンの借入限度額から、広くできなかった」や「今後の生活費を考慮して、広さを決めた」など、予算や資金などのお金に関係するものが主な理由に挙げられました。注目すべきは、2〜3人家族の「大きな家は不要」という理由。そもそも住む人数が少ないので、コンパクトな家で十分だという考え方です。
家族の人数が少なく、「住宅購入資金や価格を抑えたい」という方には、小さい家は現実的で賢い選択と言えます。

小さい家・コンパクトな家で
満足度の高い人気の間取り(プラン)

同じく(株)住環境研究所の調査より、2階建ての小規模戸建てで選ばれる間取り(プラン)について見てみましょう。
一般的な大きさの住宅と同じく、「1階にLDK+和室+浴室のある間取り(プラン)」が54%と最も多いようです。1FにLDKと浴室がある間取り(プラン)と合わせると95%にものぼります。しかし、間取りの満足度では、「2Fに浴室のある間取り(プラン)」が最も高く1階:LDK+和室、2階:浴室が91%、1階:LDK、2階:浴室が95%という結果になりました。一方で、大半を占めていた1階:LDK+和室+浴室が72%、1階:LDK+浴室が66%とやや低迷。

実際に選ばれている間取りと満足度

上の説明を表すグラフ

(株)住環境研究所『小規模戸建住宅のプラン実態調査』(2013年12月)
対象:100m²以上の敷地に建つ延床面積110m²未満の2階建て住宅にお住まいの方=811名

では、なぜ「2Fに浴室のある間取り(プラン)」の満足度が高いのでしょうか?
2階に浴室を設置するプランには、2階にスムーズな洗濯動線をまとめられるというメリットがあります。浴室や洗濯機の他に、バルコニーやサンルームなどの洗濯物を干すスペースを2階に確保すると、脱いだ服をすぐに洗濯機に入れ、干すという作業を2階で完結させることができます。また、1階に浴室や脱衣所を設けないため、クローゼットや納戸、パントリーなどの大容量の収納を設置できるのもポイント。買ってきたモノをストックできるような収納スペースを1階に設けることで、重たいものなどを2階へ運ぶ…という手間が省けます。
小規模戸建てで満足度の高い間取り(プラン)にするには、無駄な上下移動を省くことが重要と言えそうです。

2階建ての小さい家
おススメのコンパクトな
間取り(プラン)

  • 2階に水まわりを直線状にまとめる
  • 2階にリビングを配置し、通風や採光を確保
  • 1階には大容量のウォークインクローゼット

延床面積:113.07m²
1階面積:61.42m²
2階面積:51.65m²

住まう人数によっては、コンパクトな住宅で充分ということもあります。さまざまな実例を見て、最適な間取り(プラン)を考えてみましょう!

くらしとすまいラボは、セキスイハイムの調査研究機関である
住環境研究所の調査結果に基づいてまとめられています。